2006年02月20日

#24.営業マンのための提案書作成のポイント

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元サイトで、2000.1.24にアップしたもの再掲。
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最近メールもらったケンさんって人が、営業マンらしいんだけど、まだトークが苦手だから提案書で勝負。今取り組んでるってボードに書いてた。

だから、今回は、提案書の書き方のアドバイス。

ひとくくりに提案書って言っても、業種とか、売り物とかによっていろいろだろうから、あくまで抽象的なアドバイスね。

具体的にこう書きましょう!みたいな本なら本屋にいっぱいならんでるもんね。




大事なことって、これくらいだと思う。

●売り物を知ること
●プレゼン(営業)相手を知ること
●相手先で書類がどう使われるかを把握しておくこと

じゃあ、順番に説明してみよう。

どれもあたりまえのことばっかりだからあんまり期待しないでね。




■売り物を知ること

マーケの教科書によく出てくるはなし。
「電動ドリルを売っているのか,適当な穴を売っているのか?」

意味わかる?...わかるよね。

自分の会社の売り物についてわかっているようで、実はぜんぜんわかってない人って多い。

売り物ってのは、つまり売れるもので、売れるものってのは、買ってもらえるもの、買ってもらえるものは、相手が必要だと思うものだ。

さっきのはなしだけど、客は電動ドリルが欲しいんじゃなくて、適当なサイズの穴が開けられればなんでもいいのかもしれなし、もしかしたら、穴が開いたパネルがあればいいのかもしれない。

つまり、セールストークは、相手の立場にたって、相手がなにが欲しいか?、もしくはどう言えば相手が欲しくなるかをよく考えようってこと。

あれもできる、これもできるっていう機能説明だけじゃ大抵は通じない。

真っ先に書くべきは、あなたには(あなたの会社には)、これが足りない(問題点とか改善視点とか)んじゃないですか?だったら、コレ(売り物:解決策)です!ってはなしだ。

マルチな(特定客相手でない)提案書をつくるときも同じだ。
売り物が対応できる営業先全般の本当のニーズはなにかよく考えてみよう。

うちはリプレース需要が中心だから、そんなんより、スペックの改善点を示さなきゃ!って言う人は、スペックの改善点とは、相手のなにを改善するのか考えてみても損はないと思う。
...例えば、相手の作業時間の短縮,相手の作業の品質管理上の問題改善,相手の時代に遅れるんじゃないかという不安への対応... ...
こういう場所ではどうしても抽象的な書き方になるけど、できるだけ具体的に考えてみよう。

...そうそう、もしかしたら、あなた自身が売り物なのかもしれない。
相手が、求めているのは、あなたのコンサル力そのものかもしれないし、やる気みたないものかもしれない。

それなら、あなたの実績アピールとか、意欲表明とか、正直さをアピールするような比較参照表とかあってもいいかもしれない。




■プレゼン(営業)相手を知ること

前のはなしも相手を知ることみたいになっちゃったけど、ここで言いたい相手を知ることってのは、相手の理解の仕方とか、判断の仕方といったことだ。

例えば、基礎的なことは充分わかっている人に、一から説明したら、ウンザリした顔をされるだろう。まずは相手の理解にあわせた説明が必要だ。

次に、大事なのが、相手が書類からどの様に理解して判断するかというクセだ。

結論から聞きたいのか、説得の積み上げが欲しいのか、
箇条書き派か、ビジュアル/図式派か、
数字派(厳密なファクト)か、論理派か、直感派か、エピソード重視派か...
オリジナル性が重要なのか、権威とか世評が必要なのか?
実績とか企業ブランド重視派か、営業マンの人柄重視派か?

よく良くできた企画書はどこに持っていっても通用するとか言うけど、本当はそんなことはない。ある企業にはばっちり理解されるけど、ある企業にはうまく伝わらないなんてことはむしろざらにある。

極端な例を言えば、官公庁や官公庁に近いような性格の団体・企業だと、
状況を理解してますよって説明→だから、課題はこうで→課題に対してこういう方針で取り組みます→詳しくはこう...って感じになるけど、
外資系の消費財メーカーだったりすると、結論はこう→なぜなら、こうなるでしょ?→詳しくはこう...だ。

当然、個々の説明の仕方もかなり違う。

官公庁だったりすると、文章中心、ポイントは箇条書きで、特に好きなのはマトリクス(表)だ。...つまり、比較検討が大好きなんだね。でもって、書類も当然分厚くなりがち。

外資系だったりすると、要点だけを押さえたでっかい文字,当然、1ページの文字量は少なく、ビジュアル重視、紙芝居的...だったりする。

人は理解するのに、むやみに時間を使いたくないものだ。
売り込みに来ている相手の言うことだったらなおさらだ。

だからと言って、よく文字量を少なくとか言われることが正しいとは限らない、要は相手がスムーズに理解できる書類のパターンを用意してあげることが重要なんだ。
あまり体裁にこだわる必要はないけど、相手の目に日ごろ馴染んだ書類のパターンの方が理解が早いということは覚えておこう。




■相手先でどう書類が使われるのか把握しておく

これはどういうことかと言うと、説明相手が決裁権を持ってるとは限らないよね。

ってことは、提案書は相手先企業内をいろいろと一人歩きすることになるかもしれない。

上層部に行くかもしれないし、他部門に参照されるかもしれない。

そんなときのことを充分考えておいた方がいいということだ。

例えば、あなたが直接相手にしている担当者は、技術的なことだけキチンと説明してくれればいいという人かもしれない。でも、その人には決裁権が無くて、上司に、あなたの提案書を持っていく。...その時に、担当者が上司にうまく必要性を説明できなかったら?...よくあるはなしだ。

最低限、提案書が一人歩きする組織の最上層を意識しよう。できれば、部下も周辺部門もだ。それから、例えばあなたがコンシュマー相手のセールスシートをつくってるんであれば、直接の説得先がダンナでも奥さんとか子供とかも意識した方がいいってことだ。....財布を握ってるのは奥さんかもしれない。

もし書類自体がひとり歩きしなくたって、当然、上司に説明する時に担当者はあなたの書類を見てレポートとか稟議書とかつくるはずだ。

だったら、そういうものをつくりやすくしてあげるべきだ。

よく厚い書類はよくないと言われるが、そんなことはない。
肝心な部分は簡潔にわかったほうがいいが、周辺資料とかは厚くてもいいのだ。

だから、肝心なページのうしろに補足説明になるものをいっぱいくっつけたっていい。むやみにつけてもウマシカな野郎って思われるだけだが、上司説得に役に立つ材料ならいっぱいつけよう。

数字好きなら、表やグラフを、世評好きなら、新聞のクリップとかを、...だ。

また、もしその人が、あなたの提案書をそのまま使うような人じゃなくて、自分なりに加工するのが見えているのなら、フロッピーでデータを渡してやった方が喜ばれるかもしれない。




■一般的に...

ここまでは抽象度が高いはなしだったから、もう少し具体的なアドバイスをいくつか。

●ケーススタディを充実させよう

まったく新しい商品やサービスじゃだめだけど、そうじゃなくて、もしあなたの提案書にケーススタディが入っていないなら、できるだけ入れるようにしよう。
ケーススタディほどいろいろなことをスムーズに説明してくれるものはない。

・あなたの売り物がいかに問題を解決するか
・あなたの売り物の実績=信頼性アピール
・相手の導入に当たっての検討事項の洗い出し。導入シミュレーション材料
・実際的な予算イメージの把握
・...

つまりは、女性誌の広告とかにいっぱい出てる「私はこうしてキレイになりました」みたいなもんだ。

だからカッコワルイって思ったあなたは間違ってる。
それだけ、効果があるのだ。

どんな売り物でも、通用する。....例えば納豆だって、こんな食べ方もある(利用ケーススタディ)って提案すれば、利用提案になる。

あめ玉から大企業の基幹システムまで、なんでもケーススタディは有効だ。

実際、IT系のソリューションビジネスでは、ソリューション(つまりケーススタディ)データベース構築自体が、最も戦略的な作業項目になっているじゃあないか。

あなたも、これまでの事例をきちんと整理していつでも使えるようにしておこう。

また、まったく新しい商品やサービスなら、想定ケーススタディをつくればいい。

●実績アピール,企業や自己アピール

売り物や状況によるけど、場合によっては、売り物の機能説明より効く場合だってある。
いくら売り物に自信があるからと言って、相手が理解できないスペックばっかりならべるのは間違ってる。買ってもらうのは、そういったものを含めたすべてなのだ。

●要点は、繰り返せ

しつこい企画書はスマートじゃない。だから、繰り返しが多い企画書は一般に嫌われる。
でも、うまく要点を絞り込んだキーワードを繰り返して使う...様々な角度から手をかえ品をかえページをめくるたびに出てくる...企画書が伝わらないかといったら、そんなことはない。

CMだって繰り返してるでしょ?ポリンキ〜ポリンキ〜って。

本当に重要なセールストークなら何度でも繰り返そう。繰り返すことで印象が希薄になるなんてことはない。

ただし、いちばん重要なセールストークのワードってのは、書類中の主役なんだから、その登場感だけは気を付けよう

例えば、説得の論理が盛り上がったところで、ど〜んと、1ページに、そのワードしか書いてない、あってもその言葉を補足する簡単な図くらい...なんていう登場が理想的だ。

もちろん要点がことばとは限らない。図や写真の場合もあるだろう。
そんなときは、もちろん、その図や写真を繰り返して使おう。

とにかく説明が下手な人はしつこさで補おう。
要点さえ絞れていればしつこくったって大丈夫!

●客が目の前に居るつもりでリハーサル

相手に伝わるかどうか、うまく説明できるかは、リハーサルをやってみればわかる。
相手が目の前に居るつもりで、一度通して説明してみるといい。

そうすると、いくらいい文章でも長い文章はまず読みたくなくなるし、強調すべき点が強調されてないとか、説明の順番が良くないとか、つかみが足りないとか、説明の最後の方で息切れしてる感じがある...細部に不安を残すとか...いろんなことがわかってくるはずだ。

相手のことを考えろってことばかり言ってきたけど、自分にとっての説明のしやすさも大事だ。...こっちの方が大事かも。

読む気になれなかった長い文章も、もしかしたら、文章中の要点にアンダーラインを引いたり、フォントのポイントを大きくするだけで、説明できるものになるかもしれない。

相手があなたのはなしを聞きながら、書類に目を落とす状態をイメージしよう
説明のポイントがスグに目に入ってこなかったら、理解できなくなっちゃうでしょ?

だから、説明するときは、どのページのどこを説明しているのか、即座に示せるようにしておこう。

もちろんページの構成がシンプルに見やすいのがいちばんなんだけど、そういうのは上手くできないって人は、I, 1, 1), A, a...なんていうのをふっておくだけでもいい。

●その他の基礎的な表現

ページが見やすいか、見づらいかって点では、例えばこういう誤解がある。

大きな文字ほど見やすい。枠とかアンダーラインとか網掛けとか多用すると見やすい。とにかく文字数が少ないほど見やすい。...等々の誤解。

これらは間違いとは言わないけど、正しくもない。

なぜかって言うと、例えば、大きな文字ばっかりならんでたら、どこがポイントかわからないでしょ?もちろん小さい文字がびっしりよりは遙かにいいけど。

要は大きな文字(強調した部分)と小さな文字(説明的な部分)のメリハリがついているってことが重要。

例えば、これは1ページ以内に納めて把握してもらいたいって部分も中にはあるだろう。

そんなときは思い切って全体を縮小して1ページに納めちゃえばいい。

文字が小さくなることにビビることはない。ちゃんともとのレイアウトがメリハリがついていれば、文字を小さくしたって理解の妨げには殆どならない。
最低の文字サイズが9ポイントくらいになったってへっちゃらだ。

ウソだと思ったら、実に見やすく良くできた企画書があるとして、それを50%くらいに縮小コピーしてみるといい。いいレイアウトは縮小しても通じるけど、そうじゃないのは拡大して字を大きくしたってダメなもんはダメだ
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