2005年01月24日

#94.観光産業(その他時間消費産業)のテーマ戦略とコンプレックス戦略

雑記帳の方で予告した内容です。

ほら、とかく世間は、テーマ旅=テーマ戦略の深堀に行こうとしてるから、こういう方向性もあるゾっていうのの提示です。


■■今、成功している観光地、観光施設...は、以下のどちらかに分類できる。

1.テーマ戦略型
=メインディッシュ戦略=大好物戦略
・特定の趣味嗜好層に強くアピールする材料が揃っている。
・突き詰めるとオンリーワン戦略。
・買い回り店戦略とも言える。

2.コンプレックス戦略
=幕の内弁当戦略
・幅広い対象を受け入れる材料が揃っている。
・最寄り品店戦略とも言える。

具体的な事例をあげるのは差し障りがあるので、適当に想像してみて欲しい。

この分類は、観光地・施設を、
「時間を買うショップ」であると考えるとわかりやすい。

テーマ戦略とは、専門店戦略であり、

コンプレックス戦略は、「なんでも揃う便利なスーパー」
もう少し実態にあわせて言えば
アウトレットモールとかスーパーセンターとか...ってところだ。

■■背景...その1時代構造変化視点

大昔はともかく、90年代までは、成功例と言えば、
テーマ戦略型だった。

なぜか?

理由は簡単。
旅行とか時間消費の単位...人が誰と動くかって考えると、
カップルとか、親子(子供)とか、女性グループとか、夫婦とか...
そういう単位だったわけで、
こうなれば、目的が明快な方が強い。

では、なぜ4-5年前からコンプレックス戦略型の成功例が目立つようになってきたのかというと、
「おおよそ一緒に行動することだけが目的で、
実は趣味施行性とかかなり違う人たちが一緒に動くようになった
...そのボリュームが増えた」
からだ。

そりゃ何か?と言うと、
3世代行動...特に団塊シニア=ジュニア=孫の3世代行動が目立つようになったから。

なぜそれ以前の世代は3世代行動が少なくて、この世代は多いのかとかは、他で書いてるところを適当に見て欲しいけど、
とにかく実感として、これはわかってもらえると思う。

で、彼らは実態として3世代行動しているけど、
たとえば、おじいちゃんと孫が求めてるものは、まるで違うわけだ。

そこをうまくまとめていかなきゃならないのが、コンプレックス戦略の難しいところなんだよね。

ちなみに、大昔はコンプレックス型ってのはけっこうあった。

時間消費機会も少なかったし、求めてるコンテンツのレベルだって低かったからね。
なんでもありの遊園地みたいな、温泉もあって、夜はおねーさんも居て...なんてところはいっぱいあったでしょ?

じゃー、昔に戻るのか?って言うと、これも違う。

なにが違うのかって言えば、以前よりずっと、ぜーたくになってる
...ゴマカシが効かないってことだよね。

...比較の後で、もう一回、もう少し深い背景を書きます。

■■比較

●ターゲット
▼テーマ
明快な趣味嗜好層→その周辺層...友人を巻き込む・彼氏を巻き込む
▼コンプレックス
ファミリー...特に3世代行動

●市場からの距離
▼テーマ
オンリーワンまで行けば距離とは殆ど無関係
▼コンプレックス
常にある種の利便性が求められる
遠方でも成立するが、通常は大都市からの時間距離が重要

●収益構造
▼テーマ
客単価の高さ...4人来れば4つのサイフ
▼コンプレックス
4人来ても4つのサイフとは限らない。
1-2程度

●リピート形成のポイント
▼テーマ
常にテーマ性を維持しつつ 新鮮さを保つ必要がある :多大な企画・投資力が必要。 テーマを絞っているからこそ、 一度体験すれば満足してしまうことも多い。
▼コンプレックス
「個人的な嗜好性」が前面に出ないので (ファミリーの時間作りなので)ある程度以上の複雑さがあれば 飽きられにくい。

●本質的なリスク
▼テーマ
テーマ自体が 飽きられてしまえば すべてがダメになる ・・・特に浮気な若者にフォーカスするのは危険
▼コンプレックス
クオリティ維持の難しさ
テーマとしてはそもそもがありふれたものを 扱うし客単価も低めになるので、回転率重視に経営意識が傾き勝ち。これで失敗する。
ありふれたものだからこそクオリティを失うと いっきに見放される。

特に3世代共通の部分...コアになる部分...流通の比喩で言えば、核店に相当する部分のクオリティは重要。
例えば、食・宿泊・温泉など

●成功のキーワード
▼テーマ
独自性の高さ 究極はオンリーワン
▼コンプレックス
多様性 + クオリティ + 時間・満足調整デザイン

時間・満足調整デザインってのはどういうことかと言うと、
これは多様性と関係があるんだけど、
例えば、孫が遊んでる間、他の大人がずっと全員ついて回ってたらうんざりするでしょ?
じゃー、どうしたら...例えば、おじいちゃんとパパは?おばあちゃんとママは?...その時間に満足できるのかって設計が重要になるわけ。

1日過ごして、全員がそこそこ満足するようにつくらなきゃいけない。
誰かが一方的につき合わされるだけってなると、3世代行動自体を壊していくから、ダメになっていっちゃうわけ。

■■背景その2...シニアの中でも

テーマ旅方向に行くシニアと、そうじゃないシニアってどこが違うのか?
もちろん重複はいっぱいあるわけだけど、
あえて大別すれば
経済的・心理的な余裕の差だ。

心理的というのは、地縁・血縁・社縁が壊れる中で、誰とどういう関係をつくっていくのか?
特に夫婦の関係の部分だ。
これも詳しくは別のところで書いてるから、そこを見て欲しい。

今回のテーマに関係あるところの結論から言うと、
団塊シニアの中でもおおよそ3割強は、
経済的に余裕があり、心理面も守りではなくて、
テーマ旅のような方向にどんどん行こうとしている。

残りは、経済的な不安も大きくて、サードエイジを自由にやっていけない気分になっている。
「自分の好きなこと」をやって遊んでられない
って気分なわけだ。

そもそも3世代消費行動の中には、夫婦の関係性維持の危うさを、子供夫婦・孫を媒介にして補おうって部分も、
かなりなきにしもあらずなんだよね。

だから、テーマで取っていくシニアは、時間とお金と心理的な余裕が比較的大きい層、コンプレックスで取っていくのは、どこかが欠けている層であることが大きいって思っておこう。

■■応用

テーマとコンプレックス。
この考え方は、観光関係に限らず、いろんな時間消費の場面に応用できるはずだ。

例えば、リビングにだって当てはまると思うよ。

例えば...例えばばっかりだけど...
3世代で一緒に遊べるゲームとかだって、
けっこう需要あるハズだと思うよ。

これはテーマ追求方向に行きがちな今のゲームの主流とはかなり違うハズだよ。
posted by わき at 10:41| Comment(2) | TrackBack(0) | 広告・マーケ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして、わきさん。
旦那(ディレクター)と2人、フリーのデザイン業をしているものです。(私はデザイナーです)
実は今、見積の事で悩んでいて、色々なhpを探していたら
下記のHPにたどりつき、感銘をうけ、記入してみました。
http://www.geocities.jp/each4bay/7.html

現在、某派遣会社のCIという大仕事のお話を受け(直です)、参考料金を最初の段階で出すor出さないで、悩んでいます。旦那は出すべきではない、(最後にならないと数字は出ない、先に数字を出したら負ける)の一点張りだったのですが、私はわきさんのおっしゃる通りの、フリーとしての値段がわかっていない人間です。(いいこちゃん系です)
ただ、だからこそ、最初の段階で、何らかの指針になる数字を出さないと、先方の不信感を生むように思えて不安でなりません。
旦那の能力においては、デザインセンス・営業センス共に身内の欲目抜きに高いです。私の心配しすぎなだけなのしょうか。勝手なお願いで申し訳ありませんが、もし、少しでも良いアドバイスを頂けましたら幸いです。
Posted by うめきち at 2005年03月20日 19:52
あっ、こっちにも書いてたんですね。

ここ
http://fpo.seesaa.net/article/434466.html
にメルアドも出してあったのに。

返事は雑記帳でしてます。
Posted by わき at 2005年03月21日 02:05
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