2005年03月21日

#7.いくらで売るか!仕事に値段をつける

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これは、1999.6.4にアップしたものの再録です。

殆どが、そのままテキストだけコピペしているので、
もともと、リンクが張ってあったのに、リンク無しになっている部分などがあります。
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■■今回の前振り

この間、アップした「請求管理.fm 」。あれって自分が使ってるものから名前とか住所とか...を削除しただけのものなんだけど、あの中に見積もり作成フォーマットがあったでしょ?


その中の単価って考えてみたら、もうここ10年基本的にいじってないんだよね。
なんてったって、ここ10年たら、実質デフレだったもんね。
(ほんとは、見積もりなんて殆ど使わないからなんだけど)


でね、あの単価って見直してみると妙に安いなと思ったわけ。
でも、あれで未だにやってるんだよね。どうしてるのかっていうと、だいたい想像付くと思うけど、最終的にこのくらいは欲しいなと思う金額に作業時間の方を適当にあわせちゃうんだよね。
時には作業期間と矛盾するような作業時間がかかってることになっちゃうこともあるよ。...おまえは、不眠不休なのかって(^_^)...でも、10時間くらいは寝てるんだけどね(^_^)


これって、おかしい?
おかしくないよ。
だって、プランナーの仕事の成果ってベルトコンベアーの前で部品を取り付けるように時間でなんて計れないよね。
1日考えてもまったく前に進まないこともあるし、1日で1週間分進むことだってある。
結局、成果にあわせるしかないんだ。


でも、じゃあなんで「時間」を単価にするんだ... ...?


ってことで、今回は料金設定について考えてみたい。

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■■1.料金の決め方のバリエーション

料金設定の方法をまじめの考えてみると、こんなパターンがあるよね。

/

A.結果に関わらず
固定

B.コンペ結果など
によって変動

C.取引先に言われるがまま

1.頁とか成果「量」

仕事の中身にもよる
けど、
困ったヤツ!

最低!

買い手状況ならしかたないけど...
困ったヤツ!

2.作業時間で決める

私の建前

3.案件の金額や重要性など

私のホンネ

事前の取り決め次第

4.企画内容(提供した企画の質)



私は建前としては、さっきも言ったように2-A.時間=成果に関わらず固定だ。
これは、「一定の能力のある人間を何時間拘束したらいくら」という考え方だ。一定の能力ってのがミソで、時間あたり安定してある作業ができるってことを前提にしている。
これは、調査会社やシンクタンクなどが割と一般的に採用している方法だ。

でも、よく考えてみれば、企画ってのはそういう性質のものじゃなくて、アイデアいっぱつや鋭い視点がすごい価値を持つこともあるし、逆もあるわけだ。
取引先にとってみれば、「企画」が欲しいんであって、別に一定時間を拘束したいわけじゃあない。

だが逆に「企画の良し悪し」をどう決めるのかってのも難しい問題だ。
コンペ結果で決めるったって、私の作業としては完璧だったけど、そもそも営業のリサーチに問題があったかもしれないし、政治力が働いて出来レースだったのかもしれない。...例えば、こういう場合は、結果的に負けても「やっぱり次はあそこに頼んでみようか」とクライアントの担当者を味方に付けるような効果があったかもしれない。もちろん逆もある...ろくでもない企画だったけど、勝ったのは、たんなる政治力だったのかもしれない。

くどくど書いてもしかたがないね。よーするに、この図の様に私はしているし、それが今のところベストだと思っている。
つまり、このくらいの能力と一般に認められている人間がこのくらいの時間をかけてやったという程度の仕事をしました。その分請求。ってわけだ。
...結局は、「このくらいもらっていい」と思うだけ請求してるってことだね。

ただ、これは、売り手市場的状況に居るのか、買い手市場的状況に居るのか...得意な分野か否かと言った様々な状況によってもコロコロ変わるだろう...によるはなしだ。売り手市場だと思える状況じゃなきゃできないよね。

じゃあ、状況毎にどう考えればいいのかなんかもこれから考えてみよう。
でも、その前に...

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■■2.困っちゃう(迷惑な)パターン

フリーランスはフリーランスなんだから、それで売れる売れないは別にして、自分勝手に料金を決められる。自分の値段を自分でつけるわけだ。

だからこそ、困った(迷惑な)ヤツってのが出てくる。
どういうのかっていうと、
まずは、
内容(能力)に見合わない低料金で満足しているやつだ。
だいたいこういうのは以下のパターンだ。

●若くてフリーに成り立てで、優秀なんだけどフリーの商売ってのをぜんぜんわかってないやつ

つまり、例えば、そいつの以前の月給が30万とか40万とかだったとするじゃん。で、1週間の作業で30万の請求ができちゃったりとかして、大喜びしてるわけよ。でも、ほんとはそれって60万の価値があったりするわけね。
でもさ、

最近は年功序列システムとか崩れてきてるけど、基本的には日本のサラリーマンってのは、若いうちはご奉公的に不当に安い賃金に甘んじてて、その分を歳取ってから取り戻すシステムなわけだよね。会社に居たときの月収なんてなんの目安にもならない。
おまけにフリーにボーナスはないんだよ。

自分の能力が確実に上がってそれを買ってくれる人が居なきゃ、一度決めたフリーの料金ってのは絶対上がらない!ってこと。基本的にはそれで一生行くんだよ。わかってる?

あなたに会社がいくら使ってたかわかってないでしょ?営業とか、経理などのバックアップ部門とか、事務所代に電話代...、それから福利厚生とか...そういう維持費を自分で持つんだよ。

●確信犯。...お金持ちのお嬢ちゃまとかに多い。

つまり、趣味で仕事やってるんだよね。請求額なんかに興味ないの。おまけにホントに優秀だったりすると目も当てられないね。相場がぐちゃぐちゃになっちゃうんだ。超メーワクだよね。

まあ、こういうのは、そもそもが趣味だから特定分野に異常に強いカテゴリーキラーはいても、ビジネス設計としての企画がちゃんとできる人ってのはまず居ないけどね。...どっちにしてもカテゴリーキラーを目指している人にはメーワクだからやめようね。そういう態度。

■次に、困っちゃうのは、自分の料金を自分で決められないヤツだ。

フリーってのは、バイトとか内職のおばちゃんじゃないんだよ?わかってる?っていいたいね。最後はなんでも自分で決めなきゃいけないの!
そうでなきゃ、私は、アルバイトです。とか、いっそのこと「アナタの奴隷です」とでも言ってみれば...

これには、だいたいこんなパターンがある。

●フリーになっても仕事は与えられるものだって考えが抜けない人

意外に「いい子ちゃん」が多いね。小さい頃からお勉強できたりなんかしてさ。まるで、与えられた宿題みたいに仕事をするんだよね。従順なの。
意外に優秀なやつが居たりしてさ。...前述の「確信犯」と見かけとか傾向は似てたりするね。
学校とか文人肌の両親とかから、「お金は卑しい。少なくとも知的職業につく者はお金にこだわっちゃいけない」なんていう儒教由来の思想を、自分でも気がつかないうちに刷り込まれてたりするんだよね。
儒教ってさ、見ようによっちゃピラミッド型の統治システムの維持のためにあるようなもんじゃん。フリーになんかなるべきじゃなくて、役人にでもなればいいんだよ。ケッ!


●「ページ単価」とか「こういう分野の仕事ならいくら...料金表出して」みたいなナンセンスな考え方を取引先に押しつけられて、そういうもんだとおもってるヤツ

ナンセンスな料金システムの考え方を受け入れちゃってるのは、自分の料金を自分で決められないのと同じだね。
プランナーはワープロ屋とか翻訳屋とかじゃないんだぜ。
うんうん考えるような事なら、3日で1枚ってこともあるし、どうでもいいような確認事項の羅列なら、1日に20ページだって余裕だよ。
それ以上に重要なのは、こういうやり方だと、自然に自分をより低くしてしまうってこと。そりゃそうだよね。3日うんうん考えて1枚の仕事より、若干単価低くても1日に20枚気楽に取り組める仕事の方が楽に決まってるし、そういう考えでやってたら結局その方がお金にもなる。で、どんどんダメなヤツになっていくんだ。

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■■3.そうは言っても... ...「特例」の在り方をキチンと決めておけばいい。

そうは言っても、こっちが思っただけの請求がいつでもできるとは...すべきとは限らない。

例えば、

■あなたの力量を知らないはじめての取引先との仕事なら、

相手は当然のごとく見積もり的なものを要求してくるハズだ。そりゃそうだよね。だいたい仕事の相性ってのもあるから、一緒にやっていい仕事ができるとも限らない。
そんな相手に「幾らになるかなんてわかりません。後でこっちが思っただけ請求します」なんて言って通るわけもないし、通るようならそりゃそれでキモチワルイ。ヘタするとそりゃ詐欺でもある。

そんな場合、私は、「仕事の完了時に参考料金は出しますが、それで納得頂けない場合は、そちらが納得いくだけのフィーを頂ければけっこうです。あくまで最初の仕事に限りますが。...それは私の仕事のサンプルのようなものですから...」という言い方をする。
もちろん、私としては納得いかなきゃ、その後はつき合わないだけのことだ。

■また、取引先はあなたの貢献をよくわかってくれているんだけど、どうしてもプロジェクトの予算枠とかがあって今回はどうしても支払いできないなんて場合は、

簡単なはなしだが、必ず貸しにする。
「わかりました。でも、○○円は、貸しです。どこかで帳尻を合わせてください」と言い、例の請求管理の一覧表示に新規データを加えて、□□に××の件でいくらの貸し。っていうのを入れておく。色を変えたりしてね。
で、毎月、貸しが0になるまで、それを請求するんだ。

上記の2パターンは、つまり、こういう場合は、こういう処理をするということを決めておけばいいと言うこと。
請求の仕方に一貫性がないと、相手はあなたを信頼しなくなる。これはホントだ。例えば、相手の「今回だけは...」なんてのを一度でもほんとの特例として受け入れたら、それはあなたの請求額には根拠がないと言ってるようなもんなんだよ。
普段お世話になっている人のお願いを無碍に却下しちゃいけないが、同時に筋も通すべきなんだ。

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■■4.相場観をつかむ

誤解しないで欲しいんだけど、いつでも思った通りの金額を請求しろなんて言ってるんじゃなくて...それは、自分の価値,相場観がある程度冷静につかめるようになってからのことだ。

ただ、今まで言ってきたようにしたほうがいいよってのは、相手が仕事の内容(あなたの能力)に比べて高いと思えば、もう仕事が来なくなるだけだし、逆に「高い」と言っていたって必要なら発注してくる。どの程度必要とされているかを冷静に把握すべきなんだ。需供関係だね。

じゃあ、どの程度必要とされているのかをどうやって計るのかっていうと、こんな点がポイントになるとおもう。

■あなたの仕事内容は「置き換え」が可能か?

●例えば、取引先で内製化が可能なものか。単にオーバーフローの仕事を出してるだけなのか?否か?

●単に取引先が内製化によっては得られないクオリティを提供しているのではなく、取引先の営業戦略などの上で欠かせないものを提供しているか。

●あなたが提供しているのもの本質は当分内製化できそうもなく、その上単にクオリティの問題ではないのであれば、同じ様な立場、おなじようなものを提供しているフリーの中であなたはダントツか?

上のチェックで、自分は「置き換え」しにくい存在だ。と思えるのなら、周囲より何割か高くしても大丈夫だし、そうすべき。
ただ、あくまでも一貫性が大事
なんで、同じ取引先に同じ様な内容で、突然、今までより割高な請求をしたら、信用を失うので、料金をあげるタイミングには注意だね。請求額より信用の方が大事だよ。取引先にやたら気に入られようとしたり服従する必要はまったくないが、それと信用維持ってのはまったく別問題だ。...なにかと、この辺がわかってない人って多いよね。

■「置き換え可能」ならどうするか?

こうするしかない。

●周囲を見て、同じ様な内容,同じ様なレベルのやつと料金をあわせる。
状況を見て、若干クオリティ削っても割安にしたり、時には、ちょっとしたクオリティアップ....例えば、書類の体裁がいいとか,レスポンスがいいとかね...で、若干高い料金をつける。
...もっともこういうことがちゃんとできる人なら、他よりいい企画も作れるはずだから、ちょっと矛盾してるか...状況の的確な判断ってことね...

●可能な範囲で「置き換え不可能→料金アップ」を目指す。
例えば、

●特定分野に強くなる(前回参照)

●時代を先取りして仕事の進め方などについての一種のアドバイザーになる。
つまり、まだ取引先がDTPRやってないような状況なら、率先してこれに取り組んで、教えてあげるみたいな。

気を付けたいのは、「置き換え不可能=取引先が必要としてる」とは限らないということだ。当たり前のようでもこの辺がわかってない人は実に多い。
第1回で、はなしたけど、例えばタイピストはどんなにスキルアップしても、タイピストなんていらない世の中になればやっぱりいらないということだ。
だから、スキルやノウハウや付加価値*の様なものは、実は非常にもろいということを覚えておこう。
*=例えば、80年代末期から90年代初期の家電メーカとかは、付加価値!付加価値!ってウルサかったね。
でもさ、付加価値なんて所詮中心価値に付け足されたものなんだから、イラナイものとも言えるんだよ。
実際、絶対使わないようなくーだらない機能がてんこ盛りだったもんね。マニュアル読んでも覚えきれないの。

ノウハウやスキルに頼ってしまうのは、深層で線形発想*のクセがしみついてしまっているんだろう。もっと、本質(相手が必要としているのはなにか?相手をリードできるのは何か?)の追究だ!
*=昨日より今日の方がよければ、明日はもっといいはずだ。昨日このやり方が通用したなら、今度も通用するはずだ。例えば、こういうのが線形発想だ。

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■■4.プランナーの収入って?

ここまで読んでも、これからフリーになろう,プランナーになろうって人にはぜんぜん収入のイメージがわかないよね。
だから、勘違いされる危険をある程度承知の上で、収入イメージをいえば、名前がブランドになるようなやり方をしている人*を除けば、だいたい500万くらい〜数千万円の間ってところだと思う。

*=つまり、その人の名前だけで無駄な説得作業を省けるある程度の説得力をもっているということ。
例えば、以前にある人の仕事を80万円でやったんだけど、さっと読んで「いいね」って言ってクライアントに500万で請求してたよ。
でもね。こういう人はそれはそれで大変なんだ。金にならない専門誌の原稿書いたり、ろくに売れない専門書を出したり、講演したりっていう自信のプロモーション活動にかなりの時間をとられる上に一定の時代性を常に維持しなきゃいけないからね。オレにはできない...したくない。
誤解しないで欲しいけど、こういう人はとても大事な仕事をしてるんだよ。
なんでかっていうと、企業にはかなり大胆な改革をしなきゃいけないし、その方向もわかってるのに、総論賛成各論反対で身動きがとれなくなることって多いでしょ。そんなとき、部外者で権威があるものがバンって正論いうことで、物事が少しはスムーズに動いたりするわけ。だから、無駄に高いわけじゃないんだ。


以前にもはなしたけど、プランナーって一言でいっても実に多様だから一概には言えないが、第5回で話したような仕事内容ならそんな感じだと思う。

ちなみにオレの収入はってのは聞かないで欲しい。
でも、取引先が思ってるよりは、ずっとずっと低いってのは確かだ。
単価はもしかしたらハイエンドに近いかもしれないけど、基本的にものすごくなまけものだからね。いつも忙しそうにしてるけど、実はあんまり仕事しないんだ。(^_^)
スグに気持ちがいっぱいになっちゃって、かなりダラダラしないと次の仕事する気になれないんだよ。
まあ、ガンバリが効くとか効かないとかってのも能力のうちだからしかたがない。...だから、こういうホームページつくったりできるわけだよね。

だいたい、プランナーの仕事ってのは、「毎回新しいものを創ってるのに、結局足し算商売だ」っていうところからくる壁みたいのがあってね。能力があって、ガンバリやさんでも特別な例を除けばせいぜい数千万円なのよ。
つまりね。...足し算商売のことだけど、基本的には、毎回売りきりでいくらいいものつくっても、売れたら売れただけの報酬とか、また売りとかできないでしょ?

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■■あとがき

でもまあ掛け算商売も不可能とは思えないから、マルチプラン*とか、クライアントの売上連動性とかに、誰かチャレンジしてみてよ。
オレはそんな根性ないけどね。

*=特定クライアント用ではないかたち、汎用として市場分析や製品/事業企画をつくり、これを一部数万円から十数万くらいで、一斉に関係する分野の企業に売る。最後のプランのつめの部分は、もちろんやり残しておいて、具体的に高く買ってくれるところ...興味を示した各社を天秤にかけて...と、つめの作業を行う。...これって結局、前述のブランド商売になるんだけどね...
...実は、ちょっとだけ近いことをやったこともあるが、大変だよ。根性いる。オレにはできない。その時はちょっとした気分転換でやってみただけ。(しかも怖いから一人じゃなくて代理店巻き込んでね)


ところで、ご意見ご感想ちょうだいね。
「なに言ってんだよ。それって違うね!」とかでもいいし、「役に立つ」とか「立たない」とか「こんなテーマでやってくれ」とかなんでもいいからさ。

これを初めてから約1ヶ月ちょっと。その間4通のメールをもらった。
(うち1通は、UMIUSHIの方で知ってる人だけどね)
メールをもらうと、とってもやる気がでる。だから、ちょーだい。

じゃあまた!
posted by わき at 02:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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