2004年11月09日

#93.チラシ型メールとマガジン型メール

以下、雑記帳に書いたものを少し整理し加筆したものです。

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先日、仕事で企業のメール配信について話す機会があったのだけど、
どうも上手く本質が伝わらなかったんじゃないか?
って思ったのが、
企業のメール配信には大きく分けて2種類あること。

なんでそんなことを話したかったのかと言うと、
それぞれには向いているビジネスの形態があって、
それを間違うと、
開封率の低下だけじゃなくて、
ブランド破壊にも繋がること
ってのを言いたかったからなわけ。


メール配信ってのは、本当はかなり繊細・慎重に扱うべきメディアなんだけど、低コストで使い勝手がいいから、あんまり考えずに片手間にやっちゃうことが多いんだよねー。
で、失敗する...っていうか、やってる人たちは失敗してる...例えばブランド壊してるとかって気が付いてさえいなかったりして。

低コストでできるからこそ、トータルにコミュニケーション設計するような人がちゃんと噛まないってのも原因だったりするんだよね。

メールってのは、(他のメディアもそうだけど特に)コミュニケーション全体を見て、各アイテムの連携性を充分意識して使うべきメディアなのにさ。

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■メール配信はコンテンツの傾向別に分けると2種類ある。

1)チラシ型
内容:
扱ってる商品の情報...新製品とかオススメ商品とかの概要と
販促情報...こんなキャンペーンやってるとか
向いている業種:
品揃え・価格・便利さなど主に利便性で勝負してる流通、こだわりが少ない商品をつくっている・価格などで勝負しているメーカー...なんかに向いている
つまり、ターゲットにしろ扱うテーマにしろある程度広く浅くアプローチする必要がある企業に向いている。

2)マガジン型
内容:
商品やサービスについて・またその周辺の深い情報を提供する内容
向いている業種:
メーカーで商品や特定ブランド単位でやる場合、専門性がかなり高い小売りやサービス業...なんかに向いている。
つまり、ターゲットにしろ扱うテーマにしろ極めて狭く深くフォーカスアプローチすることが可能な場合に向いている。

■例えば、TSUTAYAみたいな本来チラシ型が向いているようなところが、万が一、マガジン型のコンテンツをたっぷり仕込んでメール配信したとするでしょ?
...もちろん、実際はそんなことしないわけだけど。
例えば、数十万人が毎回喜んで読むようなコラムを載っけてさ。
これは、もし販促が目的だとしたら、トータルでみて「失敗」になると思うよ。かなりの確率で。

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■ここでちょっと回り道...背景として理解しておくべきこと

「メールについての心理的な負担が日々増加してる」

●まず、メール受信数の増加
例えばビジネスマンが週あたり受け取るメールは70通を越えていると言われているし、しかもますます増える傾向にあるといわれている。
重要なものにちゃんと目を通してレスして、
後はサッと目を通してってやってもメールの内容把握だけでくたくただ。
●スパムメールの激増・中でも、ウィルス・詐欺メールなどの増加は心理負担を高めているし、少しでも疑わしいものは、即削除の習慣を定着させることになる。
●企業からのメールも増えている。
...ちょっと成果があがると、安易に頻度アップすることがあるからというのと、
オプトアウトが面倒だから、徐々に購読メールが増えてしまうってのの両面だ。

つまり、大前提としてみんなメールにウンザリしてるわけだ。
...それも購買力があるような人ほど、ウンザリ度は高いわけ。

▼それで、「心理的なスパムフィルタが日々強化されてる」>開封率の低下

少しでも読むことが負担になり始めると、開封さえしなくなるわけだ。

ここが重要なんだけど、
「少しでも関心外の内容が多い」と感じられるメールは、負担になるってことだ。

さらに、義理メルアドを使って、登録しても様子を見て、纏めて捨てたり、
メーラーのフィルタを使って、特定フォルダに保存しつつ、あまりに溜まったメルマガにうんざりして纏めて捨てたり...

パーミッション取ってるから開封されてるなんてことはないし、
相手にしてみればストレスのもとになってることも多いわけ。

▼だから、
例え、登録させるのにプレゼントみたいなインセンティブで釣ってるわけじゃなくて、
それこそ自主的に相手が登録したのだとしても、
こちらの発信内容と相手の関心が噛み合わないと、開封されないし、
だんだん気持ちの負担の高まり>キライになる>ブランドを傷つける
ってことに繋がっていくわけ。

よくあるのが、
ユーザにしてみればある商品の情報が欲しくて
...最初はあきらかにその商品関連の情報だけを送られてくる
メールニュースだったはずが
気が付けばどんどん紹介される内容が広がり、
送られてくる頻度もあがってくるってヤツ。

そして、興味がない情報ばっかり目立つから、ウザくなっちゃうわけ。
こういう場合、大抵はめんどくさいからオプトアウトさえしないで、
放置プレイされるんだよね。

そうなると、企業の担当者は、
購読者は減ってない,でもクリック率とかは悪くなってる>
それじゃ頻度を高めようとか、もっと内容を充実させようとか、もっと煽る表現にしようとか、いろいろインセンティブ付けようとか...
って判断して、
最悪の方向にひた走ることもしばしば。

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■はなしを戻して、
「ではなぜ、チラシ型・マガジン型を適切に選ばなきゃならないのか?」

これは背景のところで充分理解できてるとは思うけど、つまり、いくら「一般化すれば人気があると言えるようなコンテンツ」だとしても、個々の客にとって、読みたくもない:関心外のものの比率が高くなるとダメだってことだ。

で、当然、例えば品揃えの豊富さがカギになるようなショーバイだったりすれば=とても特定テーマでくくれない指向層を相手にするなら、マガジン型なんてあり得ないわけだよ。

どんなに人気のコラムニストが書いてたって意味がないし、むしろマイナスになるわけ。

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■メールマーケを成功させる基本設計に関わるキーワード

「信頼」
●発行者の基本的な信頼イメージ
●特に発行者を明確に・読者との関係性を明示すること...何によってこのメールを送っているのか
●オプトアウト・再オプトインが容易なこと
●あおり立てる表現を多用しないこと...しょっちゅう「号外」とかさ。ダメ。

「エンゲージ」
●たんなる信頼から一歩進めて、信頼関係を構築すること。
「個客対応化」や「適切な読者の巻き込み」といったかたちで踏み込んでいく

コンテンツフォーカス/細分化対応
●これはチラシ型かメール型かというはなしの本質そのもの。
●例えば、メールマーケに成功し、「だったらこの商品もアピールしよう、あれもこれも...」とアピールする内容をどんどん広げていって失敗することは多い。
こういう場合は、別のメール配信を立ち上げ、それを既存読者に告知するようにすべき。
つまり細分化対応していく。
無駄が多くなるようでも、結局はこの方が効率がよい。
●これを突き詰めれば、個客対応になる。

コミュニケーション全体の中で適切に位置づける・連動性を充分考慮する
●まずはWebサイト全体との連携性をよく考慮すること。
...例えばチラシ型メールを打っておきながら、ワンクリックで商品の詳細説明ページや購入ページに行けないなんていうナンセンスも良くある。
●その他、広告・店頭などとの連携性。
●業種などにもよるが、本来メールマーケは完結性が低いもの...メールだけで完結させちゃいけないものだ。具体的にいろいろなものと繋がなきゃ意味が出ない。

適切な頻度・タイミング・インセンティブ
●まず第1にパーミッション取得から、メール送信第1号までの時間をあけてはダメ。
誰にパーミッション与えたかなんてちゃんと覚えてるヤツは少ないし、忘れられてれば受け取った人にしてみればスパムと同じ。
●適切な頻度・タイミングは、テーマ/対象層によって異なる。
...例えば、時間消費ものだと木曜・月末の1週前の開封率が高くなるとか。

セキュリティ
例えば顧客情報流出で失うものはあまりに大きいわけだから。
「信頼」の問題でもあるかもしれないけど、それ以前のリスク回避の問題だ。
posted by わき at 18:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 広告・マーケ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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